ゲームスライダーの調整

さて、特集企画の第二弾はNBA2K8のゲームプレーをより好みに合わせて調整するための指針に付いてです。とは言うものの設定に付いては個人の好みや技術的な差もありますので、ここではあくまで私の好みに合わせた調整例と言うことで紹介したいと思います。(この考察は2008年7月21日時点でのものです。)

私の嗜好

私は試合を5分/Qに設定して、1試合を約30分で終わるようにしています。あまり長いのが好きじゃないためですが、必然的に総得点は実際のNBAの半分くらいになります。ただ、普通にプレーした時に各部門の数字の比率がそれなりに実際のNBAの試合に近くなるように色々試行しています。ただ、ゲームとしての爽快感、スリル、プレーヤー技術の反映といった面の“楽しさ”を失わないよう、バランスを取ってるところもあります。

設定例

では、具体的な設定を紹介していきます。ゲームプレーに関係ない、あるいは好みで設定して構わない部分に付いては省略しています。また、設定においてはこちらを参考にしていますが、日付を見るにパッチ前の考察であると思われますのでその辺も意識しています。

ゲームプレーセッティング(Options→Gameply)

難易度が「Superstar」でも、「Allstar」でもCPUのシュートはきちんとディフェンスしても少々入りすぎる傾向が見られます。ということでシュートの成功率は別に調整しますので、ここではCPUのディフェンスレベルを基準に「Superstar」を選びます。「Superstar」だとそれ以下のレベルに比べて、明らかにCPUの1対1のディフェンスやブロック、パスカットといったプレーがより厳しくなります。

試合時間を長くする場合は、ゲームスピードと後述するファールアウトの数とを合わせて調整すると良いと思います。

項目 設定値 備考
Difficulty
Superstar
やり応えのあるSuperstarが丁度良いと思われます。ディフェンスが厳しいですが、慣れて来ると面白いです。
Quarter Length
5 Minutes
8分位まで長くすると実際のNBAの12分のスタッツに近くなりますが、かなり長く感じるので、あえて5分を選択してます。
Fatigue
ON
選手の疲れない試合は、交代の必然性がなく面白くないので当然ONです。疲れ方の調整は別パラメーターで可能です。
Injuries
ON
試合中のケガは珍しいのですが、稀に起こるアクシデントは気持ちの高揚に一役買うこともあるのでONがお奨めです。発生の可能性は別のパラメーターで調整可能です。
Clutch Factor
ON
個人的にクラッチ要素がある方が好きです。後述のパラメーターで影響度を調整できるのでONがお奨めです。
Real Player FT%
OFF
これをONにすると、FTのスタッツもより現実に近くなります。ただし、自身で操作できないので運任せな面が増えるので私はOFFにしてます。
Game Speed
50
1Qの時間を長くした場合には、この数値を低くしてバランスを取ります。42-50の間くらいが良いでしょう。オン対戦をする人は変えると感覚が狂うかも知れません。
Free Throw Difficulty
70
後述の通り、シューティングファールの値を上げている場合、フリースローは難しめに調整した方が緊張感があり面白いです。

NBAルール(Options→NBA Rules)

ここでは、ルールそのものと言うよりは、主にファールの頻度を調整します。「Foul Out」の値は試合時間に応じて調整して下さい。私は5分/Qの設定では安直なスティール狙いやゴール下でのレイトブロックを抑制する意味で4ファールでアウトになるよう設定していますが、CPUはあくまで6ファールを基準に選手交代を行ってきますので、気になる人は6のままにしておくのも良いでしょう。

項目 設定値 備考
Foul Out
4
5分では4だとかなり緊張感が出ます。好みで5にしても良いかも知れません。
Charging Foul
80
チャージングになるにしても、ブロッキングファールになるにしても、強引な突っ込みがファールを誘うことになるのでファールゲーム狙いが可能になり、戦術の幅が広がります。
Blocking Foul
80
上記の理由から、チャージングファールと合わせて高くするのがお奨めです。どちらを高くするかは好みもあると思います。
Reeaching Foul
80
安直なスティール狙い(連打等)を抑止する意味でこの値を高くして、ファールアウトの設定値を下げるとゲームとしてのバランスが良くなります。これによってスティールそのものの成功率を上げても、緊張感を保つことが出来ます。
Shooting Foul
70
シューティングファールの感度は他のファールとは違い、ゲームそのもののバランスに大きく係わる重要な値です。リアルと言う意味では高くても良いのですが、ゲームとして考えると、ディフェンスのスキルによっては70でも少し高く感じるかも知れません。
Loose Ball Foul
80
後から強引にリバウンドを取りに行くなどした場合に即ファールになるようにしてます。ポジショニングを厳しく見ると言う意味で高い方が良いと思います。

Shooting Foulの値は、80だとレブロンの様な選手で強引に突っ込むとかなりファールを貰えてしまいます。70まで下げると状況は少し和らぎますが、それでもまだファール狙いは可能です。一方、ディフェンスに回った場合、遅めのブロックはかなり厳しくファールを取られることになりますので、自身の攻守の技術レベルに合わせて微調整して下さい。多分67を基準に前後に微調整するのが良いと思います。

ゲームスライダー(Features→My NBA→Game Sliders)

デフォルトのままだと、難易度Pro設定でもCPUのシュートは決まりすぎる気がします。FG%が40〜50位に収まるのを目安に変えて行きます。

Shooting
項目
設定値
(User/CPU)
備考
Close Shot Success
50/45
CPUはディフェンスしててもかなり決めてきますので、下げた方が良いでしょう。
Mid-Range Shot Success
50/45
CPUは50のままだとブロックが跳んでいても、かなり決めてきますので、少し下げた方が良いでしょう。
3pt Success
52/47
かなり微妙な部分ですが、3Pはゲームとしては決まり易い方が展開に幅が出ると思われるために若干上げています。
Dunk Success
50/50
この値を下げてダンクを失敗する可能性を上げるのも一つの方法ですが、かなりストレスになるのでお奨め出来ません。
Layup Success
50/45
レイアップは適度に外れるので丁度良いと思いますが、私はCPUのドライブが強力な気がするので少し下げてます。
Dunks in Traffic
25/25
25でも高い位ですが、多少の派手さを残す意味でこの位にしています。よりリアルにするなら15でも良いくらいです。

如何にインサイドとアウトサイドのバランスを取るかが、リアルな試合を演出するコツになります。ディフェンスは「抜かれにくく、抜きにく、パスが容易に通らない」くらいが丁度良い気がします。しかし、前述の通り、ファールの可能性を高めることで、ゴールへアタックする価値も失わない様にしています。

Defense
項目
設定値
(User/CPU)
備考
Steal Success
65/65
Reeaching Foulの値を上げることで、スティールのリスクが高まっていますので、スティールの成功率は上げます。70まで上げるとポスト時のスティールなどがかなり成功しやすい気がしますので、このくらいにしています。取れすぎるようなら60でも良いかも知れません。
Collision Sensitivity
80/80
そもそも、これは何なのかと言うところから微妙ですが、「衝突の感度」ということで、ディフェンス時のスリ抜け防止、あるいは激突モーション(倒れる、押し出す)の頻度向上と言う意味で上げています。もしかするとファールのモーションも増えるかも知れません。
Pick Success
55/55
スクリーンがやや成功し辛い気がしますので若干上げています。
Pick Strength
50/50
スクリーンの強さ自体は上げるとピック&ロールを多用しそうなので変えていません。ディフェンスできる余地を残すと言う意味でも、そのままにしてます。

細かい部分の入念な調整が、快適なプレーへの近道です。自身の求めるゲームバランスに向けてトライ&エラーを繰り返して調整しましょう。特にボールハンドリング、ブロッキング、リバウンドの数値は地味に、しかし確実に試合の展開に影響してきます。Fatigue Rateは試合時間に応じて変えるのを忘れない様にしましょう。

Attributes
項目 設定値
(User/CPU)
備考
Stealing
60/60
これがどの場面でのスティールなのかは微妙ですが、パスカット及び無理なオフェンスでの接触時に起きるスティールにも影響するのかなと思いつつ上げています。
Blocking
45/45
ブロックの成功率というか追従性はパッチ後に下がっていますが、それでも若干決まりすぎる気がしますので少し下げています。これを下げすぎると、シューティングファールも取られやすくなる気がします。
Ball Handling
35/35
ハンドリングが下手な選手がボールを取りこぼす機会も増えて良い感じです。尚、急激な方向転換を伴うドリブルが失敗しやすくなります。
Dunking Ability
40/40
少し下げることで、よりダンク能力が高い選手しかダンクし辛くなります。ダンクの価値を高める意味で下げてます。
Offensive Awareness
50/50
このあたりはゲームの難易度で調整されるのだろうと言うことで変えません。
Defensive Awareness
50/50
同上。
Offensive Rebounding
50/47
CPUは時々恐ろしくオフェンス・リバウンドが強くなる気がするのでバランスを取るために少しだけ下げてみました。
Defensive Rebounding
55/50
味方のリバウンドが弱いのかCPUが強いのか解りませんが、ディフェンスリバウンドはきちんと取れということで。
Chance of Injury
60/60
ケガはなかなか起きません。あまり起きても困りますが、少し上げてみました。
Injury Effects
55/55
この辺もあまり酷いケガをされてもやですが、少し期待して・・・。
Clutch Factor
50/50
クラッチはリアルに行くなら下げても良い気がしますが、ゲームとしての楽しさを優先してそのままで。
Fatigue Rate
58/60
CPUは動きの効率が良い分、少し疲れろということで、ちょっとだけUSERより高くしてます。

プレー傾向の調整はUSERよりはCPUの方でより重要性が高いでしょう。そもそもユーザーが操作するプレーヤーの傾向は操作に依存するわけですから、ボールを持たない選手の動きに影響があるものと思われます。中にはTeam Slidersと関連するものもありますので、判断が難しいところですが、何度もプレーするうちに全体的な調整の傾向が見えてくると思います。

NBA2K8では、CPU戦によりやりがいを持たせるために、CPUレベルを上げると、より確実なインサイド攻めを増やして、シュートリリースもほぼ完璧にするなどしている気がしますので、そのあたりを意識して調整しています。

Tendencies
項目 設定値
(User/CPU)
備考
Shoots Inside
50/50
インサイドでのシュートは特に変更なしです。
Shoots Mid-Range
50/70
CPUの攻撃がインサイドに偏っている気がするので、調整のために上げています。
Shoots 3pt
50/60
3Pショットを撃つこともやや少ない気がするので、上げています。ただ、チームスライダーでもどの程度多用するかを決められますので、バランスを見る必要があります。
Attacks The Basket
50/35
これを下げるとゴール前へのキラーパスが減る気がしますが、ドライブも減るので微妙です。
Attempts Dunks
50/55
CPUはあまりダンクを狙わない気がしますので、少し上げてます。
Back to Basket
50/50
特に多くも少なくも無い気がしますので変えていません。
Uses Triple Threat
50/55
1on1を楽しみたいので少し上げています。
Attempts Putbacks
50/50
特に多くも少なくも無い気がしますので変えていません。
Throws Flashy Passes
15/15
これでゴール下への防御不能のパスが減るのかは解りませんが、それを狙って下げています。USER側はオフボールコントロールや選手固定を使わなければ関係無い気がしますが、一応下げてます。
Commits Fouls
75/75
ファールを犯すと言うことは、無理やりシュートを止めることも増えると言う意味で上げています。70だとやや低く、80だと高すぎる気がしたのでこのくらいです。
Plays Passing Lanes
50/50
これを変えると何が変るのか解りません。パスコースを作る動きをするのか、それともパスコースにディフェンスに入るのか・・・
Att. on Ball Steals
65/65
CPUがスティールを狙うことを期待して上げています。パスカットではないことを祈ります。
Contests Shots
60/50
CPUにディフェンスさせてもシュートをブロックに行くように上げてますが、ややフェイクに掛かりやすい気がします。私はボールを持つ選手を自分でディフェンスすることが多いのでこの程度にしています。
Uses Sizeup Moves
50/55
CPUの1on1を期待して上げています。

まとめ(というか考察の続き)

私はオンラインでの対戦などを考えて、これまで割りとスライダーの調整は行わず、デフォルト設定でプレーしていました。また、ある意味「これが2K SPORTの回答なんだろう」と解釈していた面もあり、そのままでプレーして勝利することに固執していた部分も否定できません。

しかし、何度となく繰り返しプレーして行くうちに、考えが変りました。CPU戦をやっていて面白くない、リアルに感じないと言うことが多くなったからです。ProレベルでCPUのディフェンスに満足できなくなって、レベルを上げた後、その思いは一層強くなりました。

結果として思い当たったのは、開発者側のバランスのとり方の指向についてです。私もそうですが、このシリーズを続けてプレーしていると、当然慣れが出てきて、前作よりもCPUが弱いといったことが起こると満足できなくなります。しかし、全く抜けない、完璧にシュートを叩き落すといった強固なディフェンスをCPUにさせるわけにも行かないため、ある程度攻撃面を強化して、差が付き辛くすると同時にミスによって点差がつくように調整する、といったことが行われたのではないでしょうか。

まあ、真実はどうでも良いんですが、幸いにもNBA2K8(というか欧米のゲームの多く)はゲームの調整が多岐に渡って可能になる様に作られていますので、これで調整して自身で面白いと思える設定で遊ぶのが一番だろうという考えに最近至ったわけです。

NBA2K9でゲームバランスがどのように調整されるかはまだ解りませんが、2K7から2K8への変更時にもユーザーの意向がかなりストレートに反映されていた様にも思われますので、それに期待しつつ、自身でも2K8を調整して理想を追い求めてみるのもまた、一つの楽しみかただと思います。

ここで紹介したのはあくまで私が楽しむための設定です。私はどうにもオフェンスが苦手で、また、スティールからの速攻が多発して点差がつくと言うような展開が大嫌いです。そういった面が多分に反映された内容になっていると思いますが、プレーの仕方によっては「ぬるい」と感じる人も居るでしょう。そのように、みなさんそれぞれ「理想の試合展開」と言うのがあると思いますので、それを実現するための調整に少しでも参考になれば幸いです。